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◆痛風の食事療法 2◆
●合併症を伴う場合の食事療法●
1 糖尿病を合併したときの食事療法
2 高血圧症を合併したときの食事療法
3 肥満を合併したときの食事療法
4 腎障害を合併したときの食事療法
5 血管障害を合併したときの食事療法
1 糖尿病を合併したときの食事療法
痛風に糖尿病を併発した場合は、糖尿病の食事療法を基本に考えます。糖尿病の場合は、年齢、身長、性別、仕事量などによって指示エネルギーが決まり、糖尿病の食事交換表や100kcal交換表等によって食事のスケジュールをたてられますが、そのときは食品のプリン体含有量を参考に選んでください。
その他は、ほとんど糖尿病の食事療法と同じですから、指示エネルギーに基づいて単位の配分を正しくし、栄養のバランスを計ることを心がけてください。
2 高血圧症を合併したときの食事療法
高血圧症を合併した場合は、まず食塩を制限します。しかし高血圧の多くは糖尿病や肥満を併発している場合が多く、同時に摂取エネルギーもひかえめにして体重の減少を図るのが良いでしょう。
現在厚生省では全国的に含塩量を1日10g運動を行っておりますが、高血圧の場合は6〜8gが望ましいと考えられます。そうすると、1回の食事で2〜3gの見当になりますが、和食の食事で3gではおいしい味付けでは無いと思います。人間の味覚で、塩味が美味しいと感じる幅はある程度決まっています。
たとえば、すまし汁、けんちん汁、みそ汁は0.6〜0.8%の食塩の濃度が美味しく感じられます。また漬物では浅漬けでは2%、おひたし1%、煮魚1.5〜2%等です。そうすると、みそ汁1杯で1.5g、漬物で1.1g、おひたし1人前で0.8g程度になります。それに加工品等を使用しますとはるかに上回ってしまいます。
ですから、薄味に慣れると同時に、みそ汁やすまし汁、漬物、梅干しなども無くても良いように努力することは重要です。
○減塩を少しでも美味しく食べる工夫としては・・・○
@ 調味料は食塩、しょうゆ、みそ等ばかり使わず、減塩しょうゆ、ウスターソース、濃厚ソース、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシング等、塩分の少ない調味料を上手に使う
A 食塩そのものを使用すると小さじ1杯で5gもあるので、つい使いすぎてしまいます。食塩は出来るだけ使用しない方が良いでしょう。また使用する場合は、何人分かをまとめて作り、等分するのが良いでしょう。
B 肉や魚類を焼いたり、ソテーするとき、下味をつけますが、こしょう等の香味料のみにしておき、出来上がった料理にかけて食べるほうが塩味を強く感じます。
C 酢やレモンを上手に利用すると、料理によっては無塩でもおいしくたべられます。たとえばムニエルやから揚げはレモンを添えます。しかし、酢は逆に塩味を消してしまう場合もあります。たとえば酢飯には1人前2〜3g程度の食塩が入っていますが、あまり塩味は感じません。
D 塩味は何品かに分散してしまうと、味がぼやけてしまいます。無塩で食べて美味しいものは無塩で食べましょう。
E 香りの強いセロリー、パセリ、クレソン等またうまみの出すしいたけ、たまねぎ等を上手に使うと薄味でも美味しく食べられます。
F ごまあえ、ピーナッツ和え、くるみあえ、白あえ等は香りとうまみで薄味でも十分に美味しい味が出ます。
G こしょう、からし、わさび等の香辛料は、ピリッとした味わいで料理が美味しくなります。香辛料は、高血圧や痛風に悪いのではないかと言う心配があるかもしれませんが、両方とも使用して差し支えありません。料理に合った香辛料を使って美味しく料理を味わってください。
H からあげ、フライ等は材料の持っているうまみを逃さないので、レモン汁でも十分美味しく食べられます。
I 加工食品にはかなりの塩分が含まれていますので、毎日は食べないほうが良いでしょう。しかし塩分量をしって許容量内で使うのなら良いと思います。ただし、それにしょうゆなどをさらにかけたりしないでください。
高血圧症を合併した場合にもいえることは、食事は3食、しっかり食べなおかつ栄養のバランスをとるように注意することです。
一般に痛風、高血圧、糖尿病、肥満、高脂血圧等、一連の循環器疾病はそれぞれが単独で存在するより、関係しあうことが多いので食事療法にも同じことが言えます。
3 肥満をを合併したときの食事療法
痛風患者は美食家、大食家、アルコールを多飲する人に多く、肥満を合併している場合が多くあります。普通の肥満の場合は摂取エネルギーを出来るだけ低くし、速やかに体重を落とす方法が失敗なく良いとされていなすが、痛風を合併している場合はあまり極端に摂取エネルギーを落とすことは体内で尿酸を合成しやすくなるので、比較的ゆるやかなエネルギーにされます。指示エネルギーは個人差がありますが、大体1200〜1600kcal程度でよいでしょう。その代わりプリン体量をかんがえながら、食事の組み合わせを考えると良いでしょう。
○一般的な肥満症の食事療法の注意としては・・・○
@ 制限エネルギーのなかで栄養のバランスをとることが重要となってきます。いちばん不足しやすいのが、たんぱく質です。卵、卵白、白身魚、油の少ない肉類や牛乳等、1日で食べる量はきちんと守るべきです。たんぱく質食品の中でエネルギーが低く、良質のたんぱく質ではありますがプリン体を多く含むイカ、大正えび、車えび、かき、かつお等は、あまり大量に食べないようにしてください。
次に糖質は太りやすいとしてほとんど食べない人がいますが体脂肪を分解するためには最低1日100gくらいは必要ですから、ご飯等はきちんと食べたほうが新陳代謝を正常とし、尿酸形成を抑えます。ビタミン、ミネラルの補給には野菜を十分に食べることも重要です。1/3以上は緑黄色野菜でとるようにしてください。
A 野菜を十分に食べるには、食物繊維を多くとることでもあり、最近では、繊維が血糖値の上がり方をゆるやかにしたり、コレステロール等を体外に排出してくれたり色々のことがわかってきており、高脂血症や高血圧、糖尿病、肥満などの予防に有効であるとされています。
B 食事は3食きちんと食べ、夕方は軽めの方が良いでしょう。
4 腎障害を合併している場合の食事療法
痛風の合併症の代表的なものが、腎障害だと言われています。しかし普通の腎炎と違いそれほど厳しい食事管理は必要ではなく、食塩の制限を1日5〜7gにしておく程度です。尿毒症に陥った場合は腎不全食を行います。摂取するたんぱく質は腎機能に応じて決められますが、1日50g〜30g程度です。しかし、エネルギーは十分に取るべきで、1800〜2000kcalくらいが必要となってきます。
たんぱく質を制限されると、どうしても摂取エネルギーが落ち、体たんぱく質の消耗につながります。尿酸値をあげることになりますので、出来るだけたんぱく質を含まない食品でエネルギーを補うことになります。たんぱく質を含まない食品は、砂糖類と、油脂類になりますが、出来るだけ砂糖類で補う方が良いでしょう。
5 血管障害を合併した場合の食事療法
痛風患者の多くは脂質代謝異常を持っており、コレステロール値が高く、また、中性脂肪やりん脂質等も高値を示しているので、心筋障害、動脈硬化、あるいは脳血管障害を起こさないためにも、高脂血症の改善を図るべきです。食事療法としてはまず肥満している人は、摂取エネルギーを控えめにして肥満を是正することと、摂取エネルギーを控えめにします。また、中性脂肪の高い人にはアルコール飲料、甘い菓子類、果物、砂糖のとりすぎに注意すること、そして、使用する油は出来るだけ植物油にすることです。そして一番大切なことは食事を3食しっかりと食べ栄養のバランスを崩さないことです。